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「で、この後どうする?」
新しい後輩から表情が消えているのを、
あえて無視してノエルは訪ねた。
気になったからといって、
あれこれ詮索するのはちょっと鬱陶しいだろう。
それより、もっと楽しい話をする方がいい。
「もし良ければさ、二人でどこか行かないかい?
といっても、支援がいないから、
あんまり無茶は出来ないけど。」
「あ、いいですよ。」
このまま居着くも出て行くも、
Gに入ったからには、実力ぐらい知っておきたい。
親睦を深める意味でも、
狩り場で一暴れするのが丁度いい。
そう思って声をかけると、
どことなく上の空だった新人は、
ようやく我に返ったように返事をした。
「プリがいれば、ニブル位いけそうなんだけど。
GD3Fもきついだろうし、どこがいいかな。
ユッシがいりゃなあ。
あの馬鹿、毎日どこに行ってるんだか。」
ギルド唯一の支援職は、
余所で作った友達との方が効率よく狩りができると、
最近ギルドに寄りつかない。
騎士しかいない現状では、
確かに出来ることの幅も狭まるが、
狩りが成立しないわけでもないし、
もう少し仲間のことを考えてほしいと思う。
相方への不満が顔に出たのか、
ポールが困ったように聞いてきた。
「付き合い、悪いんですか?」
「いや、アイツは付き合いは意外と良いんだ。」
だからこそ、ギルドの外にも知り合いが多く、
狩りに誘われることも多いといえる。
それだけじゃないとノエルは続けた。
「顔も良いから、女の子にもてるし、
支援の腕もいいから、頼られるし。」
実際、ノエルの知る限り、
ユッシを上回るハイプリーストはいない。
こんな小さなギルドにおいておくには惜しいくらいで、
よそから引き抜きの声も次々と掛かっている。
「へー」
素直な新人剣士が感心したように頷いた。
だが、ここで誤った認識を植え付けてはならないと、
ノエルはきっぱりと断言した。
「だけど、口が悪い!
アイツの何が悪いって、口が悪いよ!」
小さいときから合理的で、
無駄なことが嫌いな幼なじみが、
思うがままにズケズケと好き勝手言うせいで、
これまで、散々な思いをさせられてきた。
「狩り場でも、Gvでも、動き方が悪いの、
今やるのはそれじゃないの、
逐一ぎゃあぎゃあ騒いで怒る怒る。
挙げ句に何で出来ないんだってキレるしさ。
それで何人やめちゃったか。」
もう一人の幼なじみが、遂に我慢しきれなくなって、
放浪の旅に出てしまったこともあった。
その上、最近ではメンバーが少なく、
ギルマスのフェイヤー、年長者のテッカ、
たまり場を留守がちなマツリに行かない分が、
まとめてノエルに回ってきている。
「自分が出来るからって、
他人も同じことが出来るとは限らないのに、
散々貶した挙げ句、言うに事欠いて、
「どうしてお前はだめなんだ。」とか、
言っちゃならんこと、平気で言うからなー」
いくら注意しても、
ユッシが態度を改めることはないことは、
幼なじみのノエルが一番よく知っており、
愚痴るだけ無駄、
新人に言うことではないと理性ではわかっていても、
暴言を一身に背負い、色々ストレスが貯まっていたため、
言わずには居られなかった。
「大変なんですね。」
そこへポールが熱心に相づちを打つものだから、
止まるものも止まらない。
貸した装備がまともに返ってこないだの、
約束の時間に3時間遅れて謝らないだの、
段々、ギルメンへと言うより、
幼なじみへの苦情になっていき、
最後には相方の家庭内の問題にまで発展した。
「大事にしないのはギルメンばかりか、家族もでさ。
あいつ、年下の可愛いモンクの子をひっかけて、
結婚したと思ったら、すぐ別居しちゃって。
奥さんほったらかしで、
狩り場回って何が楽しいんだ。」
「ちょっ、それって酷くないですか!」
「だよなー 結婚するなら大事にしろって思うよ。」
「ですよねー」
彼女の有り難みを知らない奴はこれだからと、
彼女なし二人は深く頷きあう。
どちらかに、相手が出来てしまえばすぐに壊れてしまう、
儚い友情を深めあったところで、
話が大幅にずれたことに、LKは気がついた。
「それで、どこに行こうか。
持ってる武器とか、装備はどんな感じ?」
「あ、俺、めぼしい装備が火槍と、
ソヒー靴ぐらい何ですけど。」
「そっかー」
冒険者になったばかりの新人に、
高性能の装備は望むべくもないが、
武器属性が火に限定されるといけるところも限られる。
それでも、どうせ連れていくなら、
今まで行ったことがないであろう、
少しレベルの高い狩り場に連れていってやりたいと、
LKは頭をかいて悩んだ。
「せめて、マツリちゃんが来てくれれば、
楽になるんだけどなあ。」
純支援には育たなかったものの、
アコライト出身なだけあって、
ある程度の支援魔法をマツリは備えている。
それで足りるほどの魔力はないので、
回復剤は持っていかねばならないが、
基礎支援だけでも、あるのとないのでは全く違う。
ギルドメンバーと狩りにいく確率自体は、
実はユッシよりも低いマツリだが、
誘えば付き合ってくれるだろう。
「そういえば、あの二人、どうしましたかね?」
「さあ・・・そろそろ一区切りついても、
良い頃だとはと思うけど。」
逃げてきたリビングへの扉を眺め、
二人は同時に首を傾げた。
今のところ、喧噪は聞こえてこないが、
扉を開ける気には、ノエルもポールもならない。
先ほどのやり合いを思い出して、
ポールが改めて首をすくめる。
「何であんなに仲悪いんですか?」
「悪くはないよ。でも、二人とも付き合い長いし、
家の事情とか含めて、色々あるみたい。」
家を出たときから、一緒に行動している二人の関係は、
当人にしかわからない過去や、生家のしきたり含め、
複雑なものであるらしく、
前G時代から所属して居る古参同士にも関わらず、
ノエルにも掴み難いところがあった。
「同じ天津出身なんですよね?」
テッカの出身をきちんと聞いたわけではがないが、
名前や外見、ノエルの言葉からして間違いないだろう。
そうポールが考えた通り、LKは頷いた。
「うん。でも、それだけじゃなくてさ、
実家の方じゃ、テツさんが王様ってほどでもないけど、
長に当たる家の出身で、一応、主従関係なんだって。
実際マツリちゃん、
テツさんのこと”若旦那”って呼んでるし。」
「そうなんですか。」
今時古風な裏事情に、ポールは目を丸くした。
そういえば、アコライト時代のマツリに、
前線に立つことを強要した上司が居ると、
聞いたことがあった。
それがテッカことだったのかと納得する。
ついでにTVで中継をしていた、
ジュノーカフェのギルマスが、
大層褒めていたことも思い出す。
「Gv中継で、プロンティア一番の騎士だって、
ジュノーの人が言ってましたよね。」
「一番かどうかは兎も角、テツさんはすごいよ。」
ユッシの時とは対照的に、嬉しそうにノエルは肯定した。
今時、ペコに乗らない時代遅れの両手騎士だが、
戦闘力は並の騎士では比較にならない。
GHの深遠の騎士のような大型モンスターはもちろん、
氷の洞窟の雪男スノウアー、アユタヤの魔神タムラン、
ニブルヘイムの殺人鬼ブラッディマーダーなど、
自分より遙かに大きい魔物の群を一撃で吹き飛ばし、
パーティーの危機を救ったことも、数知れない。
その実力は対人でも確かで、
Gvギルドとしては、
本来レーサー参加すら怪しい少人数でありながら、
砦が獲得できているのは、テッカのお陰なのだと、
ノエルは力説した。
また、腕っ節だけではなく、実務のほうも確からしい。
「国への月末報告書とか、Gv経費の計算とか、
細かい仕事も全部まとめてやってくれててさ。
文字道理、うちの要だね。」
同じLKとして鼻が高いのか、
我が事のようにノエルは自慢したが、
背後から、どうでも良さそうな否定が入る。
「そんな、てぇした男じゃありませんよ。」
一騒動が終わったのか、
さも、大儀そうにマツリが部屋に入ってきた。
「我慢が足んねえから、すぐ怒るし、
頭硬くて、融通も利かねえ。
フェイさんの域に達っすんには、まだまだですな。」
やれやれと、ベンチに腰を下ろす。
激しい寸劇を繰り広げていた割には、
わずかに服が乱れている程度で、疲れた様子もない。
「喧嘩、終わったの?」
挨拶代わりのノエルの質問に、
マツリは肩をすくめてみせた。
「姑じゃあるめぇし、
若旦那は逐一うるさくて、困りますわ。」
「文句は一人前に、
やることやってからにしやがれ。」
その後ろから、テッカも入ってきた。
こちらはだいぶ息が荒い。
AXのジョーカーが怒り出すほどに、
驚異的な回避力を誇るマツリを追うのは、
ZZHの要と言われるLKにも、容易なことではないようだ。
「ったく、ちょこまかと、
逃げ回るのだけは巧くなりやがって。」
苛ただしそうに軽く舌打ちしながら、
小石の当たった額に残る血を拭う。
喧嘩に巻き込まれた方としては迷惑だが、
当人たちは動き回ったおかげで、
ある程度の感情は発散できたらしい。
いうほど、テッカの口調に怒気はない。
「大体、お前が初めからちゃんと紹介すれば、
すんだ話だろうが。」
新人を連れてくるなら責任を持てと、
改めてマツリを叱る。
喧嘩が収まった後に出てくるのが説教となれば、
舅ではなく、姑と評されるのも判る気がするが、
言っていることは、至極まっとうだ。
しかし、肝心の叱られている部下に、
素直に反省するつもりがない。
「偉そうに人に指図すんのは、
部下に一発ぐらい、
当てられるようになってからにしやがれ。」
口調をまねて、言い返えしたマツリの態度は、
いつもと変わらず、
飄々としているのだが、それが余計に憎たらしい。
ピキリと、テッカのこめかみに青筋が立ったのが、
端から見ても分かった。
青ざめたノエルとポールの気も知らず、
折角下火になっていた争いに、
どぼどぼとマツリは油を注ぐ。
「つっても、太刀筋が解ってんのに、
当たるまでぼんやり待つ気にゃあ、なれませんがね。」
「言いやがったな、この野郎。」
再びにらみ合いが始まり、
ポールたちが巻き込まれるのを覚悟した瞬間、
制止が入った。
「いい加減にしなさい、君たち!」
天津組二人に遅れて、フェイヤーが部屋に入ってくる。
「これ以上やったら、本当に怒るよ!」
声はギルマスらしい凛とした気迫を持ち、
これ以上の争いを認めないことを宣言していたが、
その姿は酷いものだった。
破れてはいないものの、服は埃まみれ。
顔には擦り傷、髪はグシャグシャ、息も絶え絶え。
好意的に表現すれば、激戦から帰ってきたかのようだ。
要するに、ぼろぼろである。
今回の喧嘩で、もっとも割を食ったのは彼だと、
言わざるを得ない。
「本当に、部屋の中での喧嘩は、勘弁してよ。
狭いから逃げられないし、家具は飛んでくるし、
止めるのも命がけだよ。」
「外でやられても、外聞が悪いけどね。」
心からのため息と共に、
フェイヤーがその場に座り込み、
ノエルがそっと付け加えた。
「チッ」
「あからさまに舌打ちすんじゃねえ。」
すぐさま反抗的な対応をしたマツリを、
テッカが冷徹に窘める。
ギルマスに直接注意された手前、
二人とも表面上は大人しくなったが、
きっかけさえあれば、すぐさま戦争が始まるに違いない。
見えない火花が飛んでいるのは判ってはいたが、
支援ほしさに、恐る恐るノエルが声をかける。
「それであの、マツリちゃん、この後なんだけど・・・」
「ああ?」
マツリならまだしも、テッカに無言で睨まれた。
理不尽な恐怖にノエルは身をすくませ、
その後ろにポールは隠れる。
「いや、狩りに行かないかと思ったんだけど、
うん、やっぱ、いいよ。聞かなかったことにして。」
「どこか、行くのかい?」
反応したのはギルマスの方だった。
「大した話じゃないから、気にしないでよ。
二人で調印でもつつきに行くだけだから!」
この雰囲気では、支援どころではないと、
誘い自体なかったことにしようと、ノエルは訂正したが、
フェイヤーがそれはいいと、食いついてしまう。
「そういうことなら、僕も行くよ。
鉄っちゃんと祀ちゃんも、喧嘩やめておいで。
ポール君がどれだけ動けるのかも知っとかないと。」
大したことはできませんと、
ノエルの後ろでポールは声にならない声を上げる。
高レベルLKが転職前の剣士なんぞに、
つきあってられないと、断ってくれることを期待するが、
ギルドの要が新人を放置することはなかった。
「そうだな。お前の連れが何処までやれるのか、
見せてもらおうじゃねえか。」
テッカの射すような視線が、
ノエルの背中に隠れたままの新米に向けられる。
「うひー」
何時までも、そうしているわけには行かないが、
心とは裏腹に、ポールはますます小さくなって、
ノエルの背中に隠れた。
これでは折角仲介してくれたのに申し訳ないと、
ばつの悪い思いでマツリを顧みるが、
当人はポールのふがいなさよりも、
新米を脅かす上司に噛みつく方が大事なようだ。
「ちょっとぐらい腕が立つからって、
何処まで上目線なんすかね、鬱陶しい。」
いやだねぇと、あきれたように首を振ったのは、
ポールを庇ったのではなく、
数々の制止を無視して、
喧嘩をふっかけているだけだろう。
幸いなことに、テッカは大人だった。
「そういうからにゃあ、
それなりの結果が出せんだろうな。」
何か、痛いを突かれたらしい。
マツリが僅かに表情を変える。
「まさか、巧くなったのは逃げ足だけじゃあるめぇ。
口に見合うだけのもんがあるのか、
久しぶりに試してやらぁ。」
「・・・面白っれぇ。」
適当な態度こそかえなかったが、
挑発にマツリが乗った。
腰の刀を持ち直したのは、無意識なのだろうか。
闘争心に火が着いたのが、目に見えるようだ。
「じゃあ、いつも通り、HSP一本でいいかい。」
「おう。」
「フェイさん、カウント頼みますわ。」
ポールの知らない身内ルールが発動したのか、
何かの打ち合わせが始まった。
ノエルがそっと、新人に耳打ちする。
「首狩りが始まっちゃったよ。」
「首狩り?」
物騒なネーミングに、
ポールが引っ込めた首を戻せないでいると、
ノエルが説明してくれた。
「30分にどれだけ、魔物を倒せるか競うんだ。
負けた方が勝った方の倒した数だけ腹筋の罰ゲーム付。
更に討伐数が100匹以下だとペナルティーとして、
もう100追加ね。」
敵の数や強さは狩り場によるが、
30分という時間を考えれば、
低級狩り場でも少ない数ではない。
出来るだけ少ない時間で敵をしとめる技術に、
次の敵を見つける探索力、移動力、
連続で戦い続ける体力に集中力。
どれも冒険者に必要な能力で、
その腕を比べるのに適した勝負方法であろう。
ノエルは更に声を潜めて、ポールに耳打ちした。
「この勝負でマツリちゃん、
テツさんに勝ったことがないんだよ。」
マツリが反応したのは、そのためか。
背中に張り付いたままふんふんと頷く新米に、
そろそろ離れてよと、ノエルは言った。
「勝負が始まったら、二人ともそっちに集中するからね。
ひとまずこっちには飛び火はないよ。」
ポールを安心させながら、
自分も胸をなで下ろしたのだが、事態は甘くなかった。
「ノエル、お前も参加しろ。」
「えぇ、俺もっすか!?」
予想外の通告に、文字通りノエルは飛び上がった。
「剣士ギルドで油を売る暇があるんだ。
このくらい、簡単だろ。」
「いや、でも、俺はポール君の面倒見なきゃだし!」
すでに狩りの準備を始めた同僚達に、
首と両手を振ってノエルは辞退を主張したが、
あっさり、ギルマスが逃げ道をふさいだ。
「ああ、それなら僕が見るよ。」
おいで、ポール君。装備貸してあげるからと、
手招きするギルマスの誘いは断れず、
後ろを振り返り、振り返り、
ポールは安全地帯から離れた。
それを見送るノエルの顔は、非常に名残惜しそうだ。
「あの、それで、どこにいくんでしょうか?」
親切な先輩が一気に肩を落としたのに、
不安を押さえきれず、ポールは訪ねた。
「腕試しったら、生体2Fにきまってるじゃねえすか。」
マツリは当たり前のように言ったが、
生体と言えば、
隣国シュバルツガルド共和国・リヒタルゼンエンの、
生体研究所跡地に他ならない。
住み着いているのは、
双頭のキメラに、半透明の思念体、
消防警備隊のなれの果てと、
ほぼ全てが、嫌なことに人型である。
某企業が秘密利に行った人体研究で、
殺された冒険者の幽霊や実験体と噂されるが、
真相は定かではない。
はっきりしているのは、
魔物らは人の姿をしながら人間を酷く憎んでおり、
最深部に至ってはは高レベルの冒険者の中でも、
特別に許可を受けたものだけしか入れない、
現存する中で尤も危険な場所だということだ。
「で、でも、確か、あそこは、
3次職以上じゃないと入れないんじゃ!」
レンジャー規約に書いてあったと、
法律を盾にとってみたが、お前こそ知らないのかと、
呆れられる。
「2次職は2人以上、1次職は4名以上の3次職と一緒なら、
入場が許可されてっだろ。」
今いる三次職もちょうど4人。
うだうだ言ってる暇があったら支度しろと、
振り向きもせずに準備をするテッカの言葉には、
新米を気遣う優しさの欠片もない。
「でも、でも・・・」
突然、死刑宣告を受けたに等しい流れに、
ポールが覚悟を決められずにいると、
いつのまに後ろに回ったのか、
背後から、マツリにガシッと肩を掴まれる。
「うちにくるからにゃあ、
多少の無茶は承知の上だったでしょうが。
今更、グダグダぬかしてんじゃねえっす。」
さっさと覚悟を決めろと、
締めあげられたのは両肩だったが、
ポールからすれば、首を絞められたのも同じだった。
「そんなに無茶しなければ、平気だよ。
大丈夫、僕もちゃんとみとくし。」
ギルマスの暢気さが妬ましい。
最後にノエルが、ぽんぽんと肩を叩いた。
「まあ、これがうちの流れだから、諦めて。」
その生気のない声が、全てを物語っている。
「やっぱり辞めておけばよかったぁ!!」
声にならない声で叫んだポールの耳に、
誰かが呟くのが聞こえた気がした。
「だから、言ったじゃないー
ボクの言うこと聞かないからー」
少し、考えた後、取り乱していのが嘘のように、
ポールはあっさりと覚悟を決めた。
「マツリさん、やっぱり俺、がんばります。」
「なんだかしんねぇけど、その意気でさ。」
無茶な先輩、無責任な友達、
レベルの違いすぎる狩り場。
そんなものより、ジョーカーが正しいと認めるのが、
一番嫌に決まっている。
| 10 | 2025/11 | 12 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |
残り1割に真実が混ざってないことも、
ないかもしれない。
取り合えず、閲覧は自己責任で。


