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V(ヴァカみたいにどうでも良いこと)を、 N(ねちねち)と書いてみる。 根本的にヴァイオリンとは無関係です。
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「で、これからどうする?」
いつもなら、親睦狩りにいくところだけれどと、
ギルマスが聞けば、ユッシがすぐさま反論する。
「いや! 来週のGvの打ち合わせが先でしょ!」
もう、日にちは残り少ない。
Gvは連携が要となるだけに、
作戦はきっちり浸透させておきたい。
そうハイプリーストは主張したが、マツリが首を振る。
「打ち合わせったって、うちの作戦なんか、
 有って無きが如しじゃねえすか。必要あるんすか?」
「まあねえ。」
フェイヤーが曖昧に頷き、ポールがノエルを突っつく。
「どう言うことですか?」
「簡単に言うと、うちの作戦って、
 マツリちゃんが隙を見て忍び込み、騒ぎを起こして、
 陣型が崩れたところに、
 フェイさんとテツさんがなだれ込んで、
 全体の目がそちらに移ってる隙に、
 俺がエンペリウムを壊すってだけだからね。」
作戦と言うようなものはないと言う彼に頷いて、
フェイヤーが横から付け足す。
「先行にジョカさん、
 追撃にヒゲ氏が加わるぐらいで、
 特に変わったこともできないでしょ。」
せっかく人数が増えたのに、そんなものなのかと、
ポールは肩を落としたが、ユッシが反論する。
「いや、折角ジョカさんがいるから、
 エンペ破壊をノルと変わってもらって、
 追撃を二つに分けたい。」
取れる手が1つだけに、
作戦は他ギルドに伝わりきっている。
しかし、1度しかこないと思っていたものが、
2回に増えるだけでも、かなり違うはずだ。

ハイプリも2人ふえるのだから、
可能だと言うユッシに、慌ててヒゲが手を挙げた。
「ワシは時間稼ぎの嫌がらせがモットーで、
 支援を当てにされると困るんですが!」
「誰もヒゲさんにそんなの期待してないよ。」
あっさり言い切るユッシに、今度はクレイが顔を歪める。
「と、すると二人目のハイプリって・・・」
「クーさんに決まってるじゃん。他に誰がいるのよ。」
「だって、うちはGvでないって言ったじゃ」
「MEは対人効果ないけど、目くらましにはなるからね。
 更にキリエ連打してもらえれば、
 前衛がだいぶ楽になるはずだよ!」
またもやきっぱり言い切る同職にクレイは反発したが、
言い終わる間もなく、話は進められた。
「うちはキリエ10取ってないんですがって・・・
 うん、聞いてないね。」
拾得スキルを無視したユッシの作戦に、
顔を覆って座り込む。
「まあ、こうなるのは分かっていたよ・・・ふふふ。」
「大丈夫っすか、姐さん。」
マツリが心配そうに声をかけるが、
それでどうにかなることでもない。
また、ある程度覚悟していたのか、
すぐにクレイは立ち直った。
「まあ、いいよ。低レベルでよければ、何とかするよ。
 基礎支援とマニピとサンクも任せとけ。」
「うっし、そうなると大分うちの手が空くから、
 合間に色々できそうだな。」
同職の呆れた様子は意にも留めず、
腕が鳴るとユッシは手を打ち慣らした。

「後はエンぺが割られるまで、
 どれだけ時間が稼げるかだけど、
 ジョカさんはどれくらいで割れるの?」
「その質問に答える前に、
 誰かテッカさんを止めてくれませんか。」
ユッシの質問に、
まだゲシゲシ蹴られていたジョーカーが悲しそうに言う。
「もう許してあげなさい、鉄っちゃん。」
流石に見かねて、フェイヤーが止めに入り、
ようやく解放されたジョーカーはさめざめと泣いた。
「マツリちゃんより早くはないんだけどさー
 一撃一撃が重いよ、痛いよ。」
自業自得とはいえ、初日早々に酷い目にあった彼に、
憤りを隠せない様子で、ヒゲが言い放った。
「これに懲りたら、発言に気をつけろよな!」
「なんで、お前が言うんだ。」
性格を考えれば似たような立場のくせに、
鬼の首を取ったようなヒゲに、憮然とテッカがつっこむ。
その様子に、しみじみとクレイが呟いた。
「相変わらずヒゲ氏は、鉄が好きだなあ。」
「え、そうなんですか?」
この二人は仲が悪いとノエルから聞いていたポールが、
驚いて訪ねると、目を細めてクレイは笑った。
「うん、鉄は突っ込みも的確だし、
 からかい甲斐もあるしね。楽しいのよ。」
そう、言っている側から突っ込まれたのをきっかけに、
ヒゲが喜々としてテッカに絡みはじめた。
LKの方は腹立たしげだが、ハイプリは実に嬉しそうで、
端から見れば仲良くじゃれているように見えなくもない。
そんな二人を懐かしそうに眺めるクレイは、
一体、何を思っているのだろう。

ポールが先輩の心中を察することができないうちに、
ハイプリは話題を変えた。
「まあ、そんなことより、ユッシンの言うとおり、
 まずは次のGvをどうするかだよね。」
やるからには勝たねばと言われ、
ポールも気を引き締めねばと頷く。
「作戦云々は今の通りとしても、
 Gvまで1週間あるかないかでしょ。
 各自連携がとれるように、
 お互いの動きに慣れておかないと。」
1週間で何ができるとも思えないが、
無駄にするのももったいないとの言葉に、
他のメンバーも異存はなく、さてどうするかと、
顔を見合わせた。
「ユッシン、その辺はどうなってるの?」
「考えたけど、やっぱり一緒に狩りに行って、
 実際に動くのが一番だと思う。」
クレイの問いに、ユッシが真面目な顔で答えた中身は、
策と言うには当たり前すぎて、
目新しさの欠片もないが、ハイプリ二人は頷きあった。
「やっぱ、それしかないよね。
 で、どこで狩りをする予定なの?」
「時間もないし、ぬるい狩り場に行っても仕方ないしさ。
 最難度Dでの特訓以外、意味ないと思ってる。
 ただ、それには一つ問題があるんだよね。」
「確かに。あそこは全く稼げないからね。
 掛かる経費を考えると、辛いものがあるわ。」
「だから、初めの2・3日はニブルに行くのも考えてる。
 あそこも沸きは凄いし、金銭面は段違いだし。」
「ふむ。」

勝手に話が進み、その他のメンバーが空気、
ポールに至っては話の中身すら理解できない中、
若干考える様子を見せた後、
クレイはきっぱりと言い切った。
「でも、そういうことならニブルは無しだな。
 中途半端な特訓に意味はない。
 それで食うに困るような奴もいないでしょ。」
1週間、多経費無収入になるが仕方ないと、
冷静に怖いことを言う。
「問題は、Gvの経費だけども。」
狩りの経費は自腹としても、
Gvは湯水のように消耗品を使う為、
こっちも自己負担は厳しいとの意見に、
ユッシが任せておけと胸をたたいた。
「その辺はギルドとしてちゃんと蓄えてる。」
「じゃあ、決まりだね。」
再び彼らは頷きあうと、結果だけをメンバーに通告した。
「と、言うわけで、
 これからGvまで1週間、全員で生体Dに通います。」
「異論があるなら、聞かないこともない。」
「聞いても、そのまま受け流すでしょ。」
ハイプリ達の一方的な通達に、
フェイヤーが呆れ顔で突っ込んだ。

「じゃあ、他に良い案あるのかよー」
文句を言うなら、代案を出せとユッシは主張するが、
そんなもの、あってもなくても、
ハイプリたちが持論を変えないであろう事は、
ポールにもよく分かった。
「ま、いいんじゃねえすか。」
「久しぶりの生体、ひゃっほう!
 リムーバ殺しのヒゲとは、ワシのことだ!」
なんでも良いとマツリが肩を竦め、
ヒゲがぴょんぴょん跳ね回る。
「行くのはB1じゃなくて2だろ。」
ジョーカーがヒゲの故意の間違いを正し、
ノエルは若干不安そうな顔をした。
「でもさ、生体Dは今、異常にドッペルが沸いてるよ。」
それは知っているのかとの質問は、
呆れ顔で返された。
「だから、行くんじゃん。」
今更何をとユッシは幼なじみを叩き、
クレイが冷静に予測を述べる。
「1回ならず、5回ぐらい、
 ノルさんがマジの魔法で吹っ飛ばされる方に一票。」
「酷いこと言わないで。あと、名前短縮しないで。」
とても支援職とは思えない二人の攻撃性に、
ノエルがブーブー文句を言うのを眺めながら、
ポールは首を傾げた。

具体的な場所をユッシもクレイも提示しなかったのに、
皆、論議されているのが生体2Fだと、
初めから分かっていたようだった。
確かに、沸きが激しく高レベルで、
金銭面が望めないとなると生体以外を、
自分は思いつかないが、
先輩方はもっといろんな狩り場を知ってるはずだ。
よく他と混合しないものだと感心していると、
フェイヤーに声を掛けられる。
「ポール君は、生体に行くのは初日以来になるね。」
あの時は大変だったとギルマスは笑い、
ぱっとしない顔の新米に、少し考える素振りを見せた。
「怖いかい?」
「え?」
突然、心境を訪ねられ、ポールは慌てた。
「別におかしい事じゃないよ。
 文字道理生死の保証がない、きつい狩り場だからね。」
「いえ、ええと、そんなこともないんですけど・・・」
語り掛けてくるフェイヤーの声は穏やかで、
思わず頷いてしまいそうなるが、
それは余りに考えなさすぎだと、大急ぎで頭を動かす。

「ええと、ええと・・・よく、分かりません。」
動かしはしたが、答えは出てこなかった。
ほんの数週間前、手も足も出ないばかりか、
メンバーのお荷物でしかなかった狩り場だ。
その後、遊んでいたわけではない。
けれど、特訓の成果を試したいとか、
強くなった自分への自信など、
前向きな感情があるわけでもなく、
少しでも違う結果を出せるというには、
経験も技術もまだないと思う。
それを補うべき装備らしい装備は、
未だにソヒー靴ぐらいのもので、
武器も防具もないに等しい。
上級者でも専用の装備がなければ厳しい狩り場なのに、
腕も防具もないとなると、
不安ばかりになりそうだものだが、
魔物が恐ろしいという感覚はなかった。
怖いというならば、あの時と同じく、
何もできないかもしれないことが怖かった。
やれることをやるしかないが、
できれば、役立たずにはなりたくない。

無意識に両手をぎゅっと握りしめたポールを眺め、
ギルマスは目をしばしばと瞬かせて、
不思議そうな顔をしたが、
ぽんぽんと、新米の肩を軽く叩いた。
「まあ、気負わず、適当に頑張んなさい。」
「はあ。」
適当でいけるほど、自分は強くないのだが。
お気楽すぎるように思えるフェイヤーの励ましに、
ポールは首を傾げ、肩を落とした。
そこに、クレイがパンパンと手を叩く。
「はいはい、じゃあ、そういうことで、もう4時だし、
 今日は解散ね。
 明日から金曜まで7時集合の16時終了になるから、
 狩りの消耗品は勿論お弁当の準備など、必要な人は、
 今のうちに買い出しに行っておいてください。」
ハイプリの指示に、早速場がざわつき、
それぞれが動き始めた。
「ユッシ、取りあえず装備一式返してくれ。」
「はいよ。あと、弁当どうする? いつもの店に頼む?」
ノエルの文句にユッシが頷き、問いかえすと、
フェイヤーが反応した。
「あ、ついでに僕の分もお願い。」
「むしろ、人数分だろ。」
一人も二人も変わらない。
だったら纏めた方が手間が少ないと鉄火が口を出す横で、
ジョーカーがぶつぶつとボヤく。
「7時って、ちょっと早くない?」
「しょうがないだろ。全くジョカは文句ばっかだな!」
「お前が遅刻しそうなのが心配なんですけどwwww」
早速ヒゲに叩かれて、ボコボコ喧嘩を始め出す。

好き勝手に騒いでいるように見えても、
熟練の冒険者だけあって、
各自、準備するべきことは分かっているらしい。
買い出し、注文、装備の確認と、
やることが決まったものから、部屋を出ていく。
反面、経験の少なさ故になかなか動けずにいたポールに、
ノエルが声を掛けた。
「ポール君は、
 ペットショップにチビを預けないとね。」
経費は掛かるが仕方ないと当然のように言われ、
ポールは揚々頷いた。
確かに、1週間必死で狩りをするのであれば、
ピッキの世話どころではないだろう。
一日1万zぐらいかかるそうだが、飢えさせたり、
守りきれずに殺してしまうより、ずっと良い。
商店街に確か、そういうペットホテルがあったと、
ノエルが言うのに頷きながら、
ポールはぽつりと不安を口に出した。
「もし、俺が迎えにいけなくなったら、
 チビはどうなりますかね?」
らしくなく、陰気な質問をした後輩に、
LKは少し眉を歪め、思い切り彼の頭を叩いた。
「くだらない心配してるんじゃないよ!
 そんなこと言ってる暇があったら、
 ポリンでも叩いてポーション代を稼いできな!」
「ごめんなさい!」
珍しく、穏和なノエルに怒鳴られて、
ポールは飛び上がった。

生死の保証のない冒険者であり、
これから危険な狩り場に赴こうというのに、
己の死後を考えるのがくだらないとは、
ノエルも思っていないだろうが、
そんなことを言っていたら、前には進めない。
他のメンバーと違い、蓄えがないことを考えても、
余計な心配をしている暇があったら、
かかる経費を和らげるため、金策に励む方が賢明だ。
回復財等は、まだ月初めに買い込んだ分があるから、
言われたとおり、
空き瓶でも集めてこようと腰を上げたポールを、
クレイが引き留めた。
「どこか行くの?」
「はい、ポリンで金策してきます。」
「ふむ。じゃあ、祀ちゃんもつれていきな。」
勝手に決めるとクレイはポールの返事も待たずに、
マツリを呼びつけ、何かやと言いつけた後、
二人を追い出すように送り出した。

「暗くなるまでに帰ってくるんだよ。
 ゴスリンやらエンジェが出たら、めんどいからね。」
「はーい。」
「ういっす。」
ハイプリに手を振り、アパートを出て、
準備せずともこのままいけることを、確認しあう。
そのまま、ポリン島へ足を運んでいる途中で、
マツリが首を傾げた。
「さっき、ノエルさんに何を怒鳴られたんすか?」
「あー 明日から、生体でしょう?
 俺に、もしものことがあったら、
 どうなるのかって言ったら、
 そんなことより、やることがあるだろって。」
ポールが答えるのに頷くと、
異色の剣士は軽く肩をすくめた。
「ノエルさんは、その辺敏感ですかんな。
 それに今更って言やあ、今更ですしな。」
公式冒険者として登録されたときに、
死亡が確認されれば、
自動的に財産は親族に受け渡されるよう手配されたし、
併せて遺書も書かされた。
それでも、もしもの時は、
問題になるのはチビの行き先だけでは済むまいが、
生死の心配をするなら、初めから別の職に就くべきだ。
そんなことはポールにも理解しているし、
新米ながら彼が覚悟していることをマツリも知っている。
「つまり、他に思うことがあるんですな。」
促されて、ポールはため息をついた。
「俺、明日からちゃんと戦えるのかなと思って。」
役には立ちたいが、自信がない。

いかにも新人らしい悩みを、
マツリは鼻を鳴らして一蹴した。
「誰もあんたに期待なんざしてませんから、
 そう、気負いなさんな。」
言葉だけ取れば、非常に冷たいが、
元々、ポールは二次転職前の剣士だ。
一次職に二次三次と張り合えという方がおかしい。
無理をせず、やれることをやればいいと、
励まされたのは分かったが、ポールは頬を膨らませた。
「だからって、俺にもプライドってもんがあります!」
「そりゃ、ご尤もで。」
半人前の自尊心など、配慮される世界ではないのを、
お互いよく承知でポールは怒り、
マツリは笑いながらも頷いた。
現実が如何に厳しかろうと、
人には感情があるのも事実である。

何より、腹が立つのはふがいない自分自身にだと、
ポールが憤るのに、マツリは肩をすくめて慰めた。
「ま、心配しなさんな。
 明日から姐さんもユッシさんも、
 ついでにヒゲさんも加わりますかんな。
 ハイプリーストが三人もいて、
 滅多なことは、そうありゃしませんわ。
 支援があればあたし等もぐっと動きやすくなりますし、
 あんたも大分楽になるはずですぜ。」
状況次第では必死どころか、
敵が足らなくなるかもしれないと言うのに、
ポールは首を傾げた。
「そんなに、上手く行くものですかね?」
「アスムがありゃ、多少の怪我は受け流せるし、
 マニピがあればスキルも多用しやすくなりますかんな。
 無理が利くとなりゃ皆、積極的に動きます。
 となりゃ、せん滅力は一気に跳ね上がる。 
 先日と比べものにゃ、ならねえでしょうよ。」
半信半疑の後輩に、マツリは自信たっぷりに言い切った。
「あたしも、明日は前回の倍は盗むつもりでさ。」
「いや、それって、なんか違うんじゃないですかね?」
LKらしからぬ気合いにポールが突っ込む。

「前から思っていたんですけど、
 シーフのスキルとか、何処で覚えたんですか?」
「ゲフェンにいたときですな。」
「シーフのメッカ、モロクですらないんですね・・・」
向かう先がポリン島だけあって、
緊張感がわくはずもなく、だらだらと話しながら、
二人はプロンティアの南門をくぐった。
如何に話し合ったところで、何か変わるわけでもない。
「結局、いつも通り、頑張るしかないですよね。」
代わり映えのしない方針に、
自分の非力を噛みしめながらも、
ポールが気合いを入れ直すのに、マツリが頷いた。
「それで十分でさあね。
 うちの参謀は優秀ですかんな。
 実力だの、役割だの、面倒なこたぁ、
 ユッシさんに任せておけばいいんすよ。
 姐さんだって、その辺り周到ですしな。」
ポールの能力はもちろん、各自の特性をふまえて、
仕事を割り振ってくれるだろう。
うちのハイプリに任せておけば、間違いない。
そう言ってから、思い出したと付け加える。

「用意周到と言えば、
 明日は8時集合でいいらしいですぜ。」
「え、だって、7時集合だって、
 クレイさん、言ってたじゃないですか。」
そんな話は聞いていない。
確かに出ていく時、マツリは何か話しかけられていたが、
間違えたのなら、全員にすぐ訂正すべきだ。
何故、そんなに不明瞭なのかを問うのは尤もだと、
マツリは首をすくめる。
「7時集合ってのは世間様から1時間遅れで動いている、
 ヒゲさんとジョカさんへの対策と、
 フェイさんの深酒防止策だそうですぜ。」
だから、それ以外は8時でいいが、
大ぴらに言えなかったとの説明される。
至極納得する同時に、ポールは深く思い知った。
確かに用意周到であるが、
3人が時間道理動いた時の惨事を、一切考慮していない。

今後の不安要素はいくつもあるが、この様子であれば、
あのハイプリ二人に任せておけば、多分大丈夫だろう。
だが色々と、とっても怖い。
「本当、俺、大丈夫かなあ?」
「まあ、気にしない方がいいですぜ。」
背筋に感じた寒いものにポールは身を震わせ、
マツリはただ、肩をすくめた。

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